元
心房細動(AF)は脳梗塞の重要な原因であり、特に若年者の脳梗塞ではAFが見逃されることが多い。
近年、ビタミンD不足が心房細動や脳梗塞リスクに影響を与える可能性が指摘されてきた。しかし、これまでの研究ではビタミンD不足とこれらの疾患の「関連」は示されていたが、「因果関係」が明確ではなかった。
そこで、遺伝学的手法であるメンデルランダム化(MR)解析を用い、ビタミンDが心房細動および脳梗塞にどのような因果的な影響を及ぼすのかをくわしくしらべてみたそうな。
MR解析は、特定の遺伝的変異(この場合はビタミンDレベルに影響を与える遺伝子)を用いて疾患との因果関係を解析する手法である。
この方法は、遺伝子が生まれつきランダムに分配される性質を利用しているため、観察研究で問題となる「交絡因子」の影響を排除できる。
今回は、香港の中国人集団と英国の大規模バイオバンクデータを用い、遺伝的に予測されるビタミンDレベルが心房細動および若年発症の脳梗塞に与える影響を調査した。
次のようになった。
遺伝的にビタミンDレベルが高い人は、心房細動や脳梗塞のリスクが低いことが示された。具体的には、ビタミンDが不足している場合、これらの疾患のリスクが約17~36%高まることが確認された。
50歳未満の若年発症脳梗塞および心房細動の予防効果が特に強かった。この年齢層では、ビタミンDがリスクを最大64%低下させることがわかった。
男性においてビタミンDの保護効果がより顕著であり、女性では効果が限定的であった。
ビタミンDが心房細動および若年発症脳梗塞に対して保護的な効果を持つこと、特に男性や50歳未満の若年者でその効果が顕著であることがあきらかになった、
というおはなし。
感想:
ビタミンDのほとんどは日光により生成される。
日向ぼっこがたいせつ。