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脳卒中は全世界で死亡や障害の主な原因であり、多くの生存者が後遺症に苦しんでいる。これに対し、東洋医学の耳尖瀉血療法が注目されている。
耳尖瀉血は、耳の尖った部分(耳尖)を軽く刺して少量の血液を出すことで、気血の滞りを解消し、回復を促すとされる伝統的な治療法である。
この方法が急性脳卒中の治療にどのような効果をもたらすのかを検証するためにメタアナリシスをこころみたそうな。
急性脳卒中患者を対象とした複数の研究結果を統合して解析した。研究では、急性脳卒中患者を対象に、耳尖瀉血療法を追加したグループと標準治療のみを受けたグループを比較した。
耳尖は、耳の最も高い点(EX-HN6)であり、ここを消毒した後に専用の針で刺し、5–10滴の血液を放出する。治療は1日1回、週に2–6回実施され、期間は2–4週間とした。
主要な評価指標は、神経学的欠損を評価するNIHSSスコア、意識障害を測るGCSスコア、運動機能を評価するFMAスコア、ならびに入院期間であった。
次のことがわかった。
・耳尖瀉血療法を受けた患者は、標準治療のみの患者に比べて、以下のような改善が見られた:
- NIHSSスコアの改善:−2.83点(有意差あり)
- GCSスコアの改善:+2.75点(有意差あり)
- FMAスコアの改善:+5.31点(有意差あり)
・これらの結果は、特に高血圧性脳出血の患者で顕著だった。
・本メタアナリシスには6本のランダム化比較試験(RCT)が含まれているが、これらは無作為化や割り付け隠蔽が不十分で、評価者の盲検化も行われていない。サンプルサイズが小さく、プロトコルの事前登録も不足している。
耳尖瀉血療法は、急性脳卒中患者の神経学的回復や意識レベルの改善、運動機能の向上、入院期間の短縮に寄与する可能性がある。しかし、現時点では小規模な研究に基づく限定的な証拠にすぎない。今後の大規模で質の高い研究が、この治療法の有効性と安全性をさらに検証する必要がある、
というおはなし。
感想:
瀉血ですらRCTがあるのに、くも膜下出血の手術ときたら、、、