元
急性脳梗塞の治療法として血管内血栓回収術(EVT)が確立されているが、高齢者における治療効果については疑問が残る。
そこで、80歳以上、さらに90歳以上の患者におけるEVT後の機能的自立や死亡率をくわしくしらべてみたそうな。
2020年から2024年にかけて、香港の脳卒中センターでEVTを受けた急性脳梗塞患者340名を対象とした。患者は年齢に基づいて以下の3つのグループに分けた:
80歳未満(若年群)
80歳以上(高齢群)
90歳以上(超高齢群)
治療後90日以内の機能的自立達成率(mRSスコア0~2)と死亡率を主な指標として分析した。また、術後の神経学的状態(NIHSSスコア)や合併症も比較した。
次のようになった。
80歳以上の高齢群:達成率はわずか14.6%に低下。
90歳以上の超高齢群:達成率は0%、全員が機能的自立に至らなかった。
90歳以上の超高齢群:死亡率はさらに増加し約35%に達した。
高齢者ほど術後の神経学的状態(NIHSSスコア)が悪化し、合併症のリスクが増加した。
90歳以上の患者では、術後90日以内に3人に1人が死亡した。
EVTは若年層においては有効な治療法であるが、高齢になるにつれその効果は大きく低下する。特に、90歳以上では機能的自立が全く達成されず、死亡率が顕著に高くなる。80歳以上の患者へのEVT適用は慎重な判断が求められる、
というおはなし。
感想:
私『医療における有効性は、たいてい若くて元気そうな被験者を選んで得られたものなので、子どもや妊婦、高齢者にも無条件で効くと考えるのは愚かの極みってことですね。』
AI『その通りだ。医療における治療効果の評価は、通常、若くて健康な被験者に基づいて行われることが多い。このため、子ども、妊婦、高齢者といった特定の集団にそのまま適用するのは非常にリスクが高い。以下にその理由をまとめる。
研究対象の偏り:健康で条件の良い若年層が選ばれ、一般の患者層には適用しにくい。
試験環境の理想化:高性能設備と熟練医の下で行われた結果が、現場で再現できない。
特定集団の特性無視:子ども、妊婦、高齢者の代謝や治療反応が考慮されない。
施術者のスキル差:研究の成功率は専門医の技術によるもので、一般医では難しい。
効果の過度な一般化:特定条件での成功が、すべての患者に当てはまるように誇張される。
結論として、試験結果は慎重に評価し、実際の医療現場での適用には注意が必要だ。』