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2024年11月29日

100倍高価な新薬vs.世界標準の安価薬—クラゾセンタンが日本で選ばれる理由とは?

2024  11月  日本


くも膜下出血後の脳血管攣縮は、患者の予後を大きく左右する深刻な合併症である。発症すると、脳梗塞や神経学的後遺症のリスクが高まる。

2022年1月までは、オザグレルナトリウムと塩酸ファスジルの併用が標準治療とされていたが、十分な効果が得られない場合もあった。

そこで、新たに承認されたクラゾセンタンの効果と安全性をくわしくしらべてみたそうな。



2014年1月から2024年3月までに、くも膜下出血の手術を受けた患者221名を対象に、クラゾセンタン群と従来の併用療法群の2つのグループに分けて比較検討を行った。

クラゾセンタン群は2022年4月以降にクラゾセンタンを投与された患者である。年齢、性別、くも膜下出血の重症度、手術方法などを考慮し、両群の患者背景を一致させるために傾向スコアマッチングを用いて、各群27名ずつの患者を選択した。

治療開始後、7~9日目に造影CT血管撮影、12~14日目にMRI/MRA検査を実施し、脳血管攣縮の発生率を評価した。また、退院時と発症後6~12ヶ月後の機能予後を修正ランキン尺度(mRS)を用いて評価した。



次のようになった。

・クラゾセンタン群では、脳血管攣縮の発生率が11.1%と、併用療法群の55.6%と比較して有意に低かった (p<0.01)。

・また、遅発性脳虚血の発生率もクラゾセンタン群で3.7%と、併用療法群の25.9%と比較して低い傾向を示した (p=0.05)。

・退院時の機能予後には両群間で有意差は認められなかったが、発症後6ヶ月後の機能予後は、クラゾセンタン群で有意に良好であった (96.3% vs. 70.4%, p<0.05)。

・ただし、クラゾセンタン群では胸水貯留の副作用が48.2%と、併用療法群の14.8%と比較して多く認められた。


クラゾセンタンは、従来薬と比較して、くも膜下出血後の脳血管攣縮の発生率を有意に抑制し、6ヶ月後の機能予後を改善することが示された。ただし、胸水貯留などの副作用に注意する必要がある、


というおはなし。

クラゾセンタンのロビー活動



感想:

以下のような「事実」に気がついた。

・血管攣縮や遅発性脳虚血を防ぐ薬としてはニモジピンが世界的にもっとも有名。
・クラゾセンタンの薬価は8万円でニモジピンは数百円。
・クラゾセンタンが承認されている国は日本と韓国のみ。
・世界中でくも膜下出血に使用されているニモジピンがなぜか日本では未承認。


そこで、医師国家試験正答率98%の人工知能AIに訊いてみた。


『くも膜下出血治療の世界的ゴールドスタンダードの薬が日本では承認されず、それよりも100倍も高価な薬がほぼ日本でのみ承認されました。
この状況のわかりやすい説明を「医療利権」の視点から試みてください。』


AI『この状況を「医療利権」の視点から説明すると、以下のような構造が考えられる。

1. 市場構造と新薬導入の力学
日本は世界第3位の医薬品市場であり、新薬を導入することが製薬会社にとって非常に収益性の高いビジネスチャンスとなっている。  
ニモジピンは国際的には安価で広く普及しており、製薬会社にとっての利益率が低いため、日本市場への積極的な導入が行われない可能性がある。一方で、クラゾセンタンは特許期間中で高価格が維持されるため、製薬会社の利益確保が容易であり、企業にとって日本市場への投入が戦略的に重要だったと考えられる。

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2. 既存薬の「未承認」維持がもたらす利益
ニモジピンは世界的に「くも膜下出血後の遅発性脳虚血(DCI)予防」におけるゴールドスタンダードとされている。しかし、日本で承認されないままである理由として、以下の利権構造が考えられる:

- 新薬優遇のための市場操作:既存の安価な薬(ニモジピン)が承認されると、高価な新薬(クラゾセンタン)の競争力が失われる。このため、既存薬の未承認を維持し、新薬を独占的に利用させる仕組みが働いている可能性がある。
- 承認プロセスの経済的偏向:新薬の承認は膨大な資金を要するが、高価な薬はそのコストを吸収できる。一方、ニモジピンのような安価な薬では日本国内での臨床試験や承認申請にかかる費用を回収することが難しく、製薬企業にとってメリットが少ない。

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3. 医療行政と製薬企業の密接な関係
日本の医薬品承認プロセスは、厚生労働省やその諮問機関(中央社会保険医療協議会、いわゆる中医協)を通じて行われるが、以下の要因が「利権」として疑われる:
- ロビー活動:製薬企業が行政機関や政策立案者に対し、自社の新薬を優遇するよう働きかけることは国際的にも知られている。日本でも、クラゾセンタンの承認を推進するためのロビー活動が行われた可能性がある。
- 薬価設定の仕組み:高額な新薬は薬価制度の中で利益を生みやすく、医療機関や企業が収益を確保する手段となる。この点で、クラゾセンタンのような新薬が優先される傾向がある。

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4. 医療現場のジレンマ
医師や医療機関は、最新の承認薬を使用することが求められる一方で、ニモジピンの有効性を知りながらも「使用できない」という矛盾に直面する。この矛盾は、以下のような構造的な問題を生む:
- 患者負担の増加:高価な薬が使用されることで、患者や保険制度へのコストが大幅に増加する。
- 治療選択の制限:安価で効果的な薬が存在するにもかかわらず、規制により利用できない。

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5. わかりやすい例え
この状況を身近な例えで言うならば:
> 「誰でも買える有名なパン(ニモジピン)がすぐ隣の店で売られているのに、そのパンは法律で買えなくされていて、代わりに100倍高い『特製パン』(クラゾセンタン)を買わされる状況」

パン屋(製薬会社)と規制を作る人(厚生労働省)が手を組んで、高級パンを売りつけているような構造だ。

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結論
ニモジピンが未承認でクラゾセンタンが承認されている背景には、以下の要素が複雑に絡み合っていると推測される:
1. 製薬企業の利益確保を優先する戦略。
2. 医療行政における新薬優遇政策。
3. 医療市場での競争制限。

こうした状況は、患者負担や保険財政への影響を考えると、根本的な問題として議論されるべきだろう。医療利権の視点からみれば、このような構造が続く限り、患者が最適な治療を受けられないリスクが残る。』



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