元
脳梗塞後の回復にはさまざまな要因が影響するが、食事から摂取される抗酸化物質がその一つである可能性がある。
抗酸化物質は、細胞を酸化ストレスから守り、回復を促進する働きがあると言われているが、その効果が脳梗塞の機能的な回復にどの程度影響を与えるかについてはまだはっきりしていない。
そこで、ビタミンCなどの食事由来の抗酸化物質が脳梗塞後の長期的な回復にどのような「因果関係」を持つかをくわしくしらべてみたそうな。
メンデルランダム化法(MR解析)という手法を用いて、抗酸化物質と脳梗塞後の回復との因果関係を検証した。
MR解析は、因果関係を特定するために有効な方法で、これは遺伝的な違いを利用して、ある要因(抗酸化物質の摂取量)が結果にどのような影響を与えるかを推測するものである。これにより、観察研究でよく見られる交絡因子の影響を排除できる。
セレン、亜鉛、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEといった抗酸化物質の血中濃度に関連する遺伝的変異を分析し、それを「道具変数」として使用した。また、脳梗塞を経験した6021人の患者データを用いて、発症後3ヶ月時点での機能的回復状況(modified Rankin Scale, mRSスコア3以上を悪い回復と定義)との関連を評価した。
次のことがわかった。
・セレンのみが脳梗塞後の回復に有意な影響を与えることが示された。遺伝的に予測される血中セレン濃度が高い人は、回復不良(mRSスコア3以上)リスクが約19%低いことがわかった(OR=0.81, p=0.02)。
・一方で、ビタミンCやビタミンEなど他の抗酸化物質については、脳梗塞後の回復に対する有意な影響は確認されなかった(p>0.05)。
・また、感度分析でもこの結果は安定しており、交絡因子や異質性の影響は小さいことが確認された。
セレンが脳梗塞後の機能的回復に重要な役割を果たす可能性が示唆された。これにより、食事を通じてセレンを摂取することが、脳梗塞後の回復を促進する新しい治療法として有望であることがわかった、
というおはなし。
感想:
人工知能AI『セレンを効率よく摂取するには、以下の食品が良い選択だ。
ブラジルナッツ - セレンが非常に豊富で、1粒で1日の必要量を満たすことができる。
魚介類 - 特にマグロやイワシ、カニ、エビなどがセレンを多く含む。
内臓肉 - 牛や豚の肝臓などの内臓肉もセレンの良い供給源。
全粒穀物 - 全粒粉パンや玄米などの穀物もセレンの供給源となる。
鶏肉 - 特に鶏の胸肉やもも肉にセレンが含まれている。
これらの食品をバランスよく摂ることで、セレンを効率的に取り入れることができる。』
機能回復にはセレン、そして予防にはこれ↓