元
若年層における虚血性脳卒中(IS)は、低中所得国で急増している重要な健康問題である。
特にインドにおいては、40歳未満での発症率が3.8%、50歳未満では9.5%に達している。
そこで、初めて脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)を経験した若年層患者における、短期および長期の機能予後と再発リスクの予測因子をくわしくしらべてみたそうな。
インドの包括的脳卒中治療センターで、2011年から2020年にかけて18歳から50歳の患者569名を対象にデータを収集した。
患者の臨床情報、画像診断結果、機能予後を記録し、改訂ランキンスケール(mRS)を用いて機能的な回復状況を評価した。
良好な機能予後はmRS 0–2と定義され、再発については3か月および1年のフォローアップで調査した。
次のようになった。
・患者の平均年齢は約40.7歳で、最も一般的な危険因子は高血圧(40.3%)と糖尿病(34.3%)であった。
・脳卒中の分類では、原因不明(33.6%)が最も多く、次に心原性脳塞栓症(20.0%)、大血管動脈硬化症(13.2%)が続いた。
・心原性脳塞栓症の中では、リウマチ性心疾患が47.4%を占めていた。
・1年後の良好な機能予後は76.3%で、再発率は1年で2.5%であった。
・糖尿病は再発の独立した予測因子であり、1年以内の再発リスクを2.43倍に増加させた。
・また、年齢が40歳以上の患者や、男性であることが不良な予後のリスクを高めた。
若年層の虚血性脳卒中において、1年後の再発率は低いものの、糖尿病や高年齢、男性であることが再発や不良な機能予後に影響を与えることがわかった。特に、糖尿病の管理が再発予防の重要なポイントである、
というおはなし。
感想:
若年脳梗塞の半数以上は心臓由来とよくわからない原因が占めているので、生活習慣の乱れの成れの果てというイメージは当てはまらない。
年2.5%再発率だと、10年で23%が再発する計算。