元
脳卒中の後遺症は、身体機能や言語だけでなく、視覚にも大きな影響を与える。
実際、脳卒中経験者の約60%が視覚障害を抱えているとされているが、リハビリ現場で視覚ケアが行われることは少ない。
こうした状況で、眼科医が脳卒中リハビリにどのように貢献できるかをあきらかにするべくわしくしらべてみたそうな。
カナダ、アメリカ、イギリス、香港、インドの5か国で眼科医を対象にアンケートを実施し、脳卒中リハビリに対する意識や関心、そして知識の有無を確認した。
アンケートでは、視覚障害の種類やその影響、リハビリでの介入方法に関する知識や意欲が問われ、眼科医がリハビリチームの一員として関わる可能性を調査した。
次のことがわかった。
・眼科医の多くが脳卒中後の視覚ケアに強い関心を持っていることが明らかとなった。
・具体的には、視野欠損や複視といった生活の質に直接影響する視覚障害についての理解が深く、また、リハビリチームに参加したいという意欲も高かった。
・一方で、リハビリシーンでの経験は乏しく、実際の介入機会が少ないと感じている眼科医が多いこともわかった。
・こうした背景にある課題として、リハビリチームに眼科医を組み込む体制が整っていないこと、視覚リハビリに対する診療報酬が不十分であること、さらに、リハビリ医や他の医療従事者が視覚ケアの重要性を認識していないことが挙げられる。また、視覚ケアのトレーニング機会が限られていることも、眼科医がリハビリに参加できない一因である。
眼科医は視覚ケアの知識と意欲があり、脳卒中経験者にとって視覚ケアが非常に重要であることを理解している。しかし、リハビリ現場での役割が十分に発揮されていないのが現状である、
というおはなし。
うごくよ
感想:
脳卒中後に実際には視力が1.5から0.4以下になっていたにもかかわらず、それに気づかず裸眼で運転を再開してしまった経験がある。
運転中に初めて視覚の問題を認識し、大変な思いをした。リハビリ入院中に視力検査をしてほしかった。