元
脳卒中後のリハビリテーションは、身体機能の回復だけでなく、認知機能の改善も重要である。
しかし、これまでの研究では、脳卒中後の患者の口腔(こうくう)健康が認知機能や身体機能に与える影響については十分に解明されていなかったのでくわしくしらべてみたそうな。
脳卒中で入院した患者データを対象とした。
患者は、日本のある病院で脳卒中で入院中の955人で、平均年齢は73.2歳、約54%が男性であった。
入院時に、口腔健康状態を評価するためにRevised Oral Assessment Guide(ROAG)というスコアを用いて、口腔内の問題を評価した。
認知機能と身体機能の評価には、Functional Independence Measure(FIM)の認知領域(FIM-cognition)および運動領域(FIM-motor)を使用した。
これらの評価は入院時と退院時に行われ、入院中の認知機能と身体機能の変化を分析した。
多変量線形回帰分析を用いて、入院時のROAGスコアと退院時のFIMスコアおよびその変化量との関連を調整された因子を考慮して評価した。
次のことがわかった。
・入院時に口腔の問題がある患者(ROAGスコアが高い患者)は、退院時の認知機能(FIM-cognition)スコアが低く、入院中の認知機能の改善も少ないことが明らかになった(β = -0.107, p = 0.031)。
・また、身体機能(FIM-motor)においても、口腔の問題がある患者は退院時のスコアが低く、入院中の身体機能の改善も少ない傾向があった(β = -0.043, p = 0.013)。
・つまり、口腔の健康状態が悪いほど、認知機能や身体機能の回復が妨げられる可能性があることが示唆された。
脳卒中後に口腔の健康状態が悪い患者ほど、退院時における認知機能および身体機能の回復が十分に得られない傾向が示された。これにより、脳卒中患者のリハビリテーションにおいて、口腔ケアを徹底することが、認知および身体機能の回復を促進するために重要であることが明らかとなった、
というおはなし。
うごくよ
感想:
前回↓、OAG最高スコア画像がグロすぎたため今回はイラスト調にした。