元2024 7月 アメリカ
脳卒中後の運動回復におけるリハビリテーションは、患者の生活の質を向上させるために不可欠である。
しかし、臨床試験において人種、民族、性別の異なる多様な患者集団が含まれていない場合、その結果は一般化しにくく、特定のサブグループにおける予測が困難になる。
そこで、過去5年間の米国における脳卒中後の運動回復臨床試験において、人種、民族、性別の報告がどの程度行われているかをくわしくしらべてみたそうな。
米国で行われた脳卒中後の運動回復臨床試験について、少なくとも1つの対照群を含む試験を対象とした。
これらの試験は、2019年から2023年の間に発表されたもので、試験の参加者に関するデータは、論文本文やclinicaltrials.govから収集し、参加者の性別、人種、民族の割合を抽出し計算した。
次のことがわかった。
・本研究の対象となった68件の臨床試験（合計2,801名の参加者）において、性別、人種、民族の報告状況を分析した。・性別については全ての試験で報告があり、参加者の38%が女性であった。・人種に関しては、試験の35%で報告されており、参加者の59%が白人、34%が黒人、0.4%がネイティブアメリカン、4%がアジア人、3%がその他と報告されている。・民族については、試験の21%で報告されており、参加者の13%がヒスパニックまたはラテン系であった。
過去5年間の米国における脳卒中後の運動回復臨床試験では、性別に関するデータの報告は完全であるものの、女性の参加者は全体の38%と少ない。また、人種や民族に関するデータの報告は不十分であり、特にアジア人の参加者は全体の4%と著しく少ない。この結果は、女性や少数派の患者が臨床試験において十分に代表されていないことを示しており、治療の一般化可能性に問題があることを示唆している、
というおはなし。
感想：
いまさら感がすごいけど、
医師国家試験正答率98％の人工知能AIにきいてみた。
わたし『男性は社会経済的に回復しなければならない圧力が存在します。また、基礎的筋力も女性よりもすぐれています。だから男性をおおく被験者にふくめればリハビリ介入成果をおおきくできます。』
AI『確かに、社会経済的圧力や基礎的な筋力の違いが、男性を臨床試験の被験者に多く含める理由の一部として考えられるかもしれない。以下に、その具体的な点をいくつか挙げる。社会経済的圧力: 男性は家庭の主要な収入源であることが多く、早期に回復して仕事に復帰する必要があるというプレッシャーが強い場合がある。このため、リハビリの成果が社会的に重要視されることがある。基礎的筋力: 一般的に、男性は女性よりも筋力が強い傾向があり、これがリハビリ介入の成果をより顕著にする可能性がある。筋力がリハビリの成功に影響を与えるため、男性の参加が成果を大きく見せることがある。リハビリの受容性: 男性がリハビリに対してより積極的に取り組むことが期待される場合がある。これは、早期に社会復帰することが求められるため、リハビリへのモチベーションが高いことが一因である。研究結果のインパクト: 臨床試験の成果を大きく見せるために、男性の参加者を多くすることが意図される場合がある。これは、試験結果がより顕著であり、研究のインパクトを高めるための戦略として考えられる。これらの要因が組み合わさることで、臨床試験において男性が多く含まれる傾向が生まれる可能性がある。しかし、これは試験の一般化可能性や公平性を損なうリスクがあるため、現在ではより多様な被験者を含める努力が求められている。女性や他の少数派の参加者を増やすことは、より包括的で信頼性の高い医療データを得るために重要である。』
