元
脂質は、脳卒中の一次予防において重要な役割を果たす栄養素である。
脂質摂取と脳卒中リスクの関係については、これまでの研究で一貫した結論が得られていない。
そこで、総脂肪、飽和脂肪酸(SFA)、一価不飽和脂肪酸(MUFA)、および多価不飽和脂肪酸(PUFA)と脳卒中の関係を、これらの脂質が食事由来かサプリメント由来かを区別してくわしくしらべてみたそうな。
2007年から2018年にかけて実施された全米健康栄養調査(NHANES)のデータを用いた。
対象者は、脂質摂取データと脳卒中の既往歴に関する有効なデータを持つ27,673人である。
脳卒中の既往歴は、医師または他の医療専門家による診断に基づいて定義された。
24時間の食事回想データは、複数の通過方式による方法で収集された。
年齢、性別、人種/民族、総カロリー摂取量、体格指数(BMI)、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症、喫煙、アルコール摂取、身体活動を調整して解析を行った。
次のようになった。
・研究対象者のうち、3.8%(1,054人)が脳卒中の診断を受けていた。
・脳卒中の既往歴は、すべての脂質摂取と逆相関していた。
・総脂肪(食事由来)摂取は脳卒中リスクと逆相関しており、総脂肪摂取量が多いほど脳卒中リスクが低かった(OR = 0.89, 95% CI = 0.79–0.99, P = 0.037)。
・飽和脂肪酸(SFA、食事由来)の摂取は、脳卒中リスクと強い逆相関を示した(OR = 0.46, 95% CI = 0.23–0.91)。特にSFAの高摂取は脳卒中リスクを54%低減することが示された。
・一価不飽和脂肪酸(MUFA、サプリメント由来)摂取は、脳卒中リスクと非常に強い逆相関を示した(OR = 0.08, 95% CI = 0.02–0.38, P = 0.002)。これは、脳卒中リスクが通常の8%にまで減少することを意味する。
・多価不飽和脂肪酸(PUFA、食事およびサプリメント由来)摂取も脳卒中リスクと逆相関していた。食事からのPUFA摂取では、摂取量が高いほど脳卒中リスクが低く(第4四分位 vs 第1四分位、OR = 0.58, 95% CI = 0.43–0.78, P for trend = 0.003)、サプリメントからのPUFA摂取でも同様にリスクが低減した(OR = 0.44, 95% CI = 0.27–0.72, P = 0.001)。
脳卒中リスクは総脂肪やSFA、MUFA、PUFAの摂取と逆相関していることが明らかになった。特に、MUFA摂取が脳卒中リスクに最も強い逆相関を示したことは注目に値する。また、PUFAの摂取も食事およびサプリメントの両方で脳卒中リスク低減に寄与することが確認された。これらの結果は、脳卒中予防のための脂質摂取の重要性を示唆している、
というおはなし。
感想:
私『動物性の脂やオリーブ油なんかを摂ることをこころがけるといいってことですね。』
AI『はい、その通りです。動物性脂肪やオリーブ油など、適度な量で摂取することを心がけると良いでしょう。ただし、重要なのは「バランス」です。
動物性脂肪: 飽和脂肪酸(SFA)を含む動物性脂肪は、適度な摂取が脳卒中リスクに対して逆相関を示す可能性があることが示されていますが、過剰摂取は他の健康リスクを伴うこともあります。量に気をつけて、全体の食事バランスを考慮することが大切です。
オリーブ油: 一価不飽和脂肪酸(MUFA)を豊富に含むオリーブ油は、心血管の健康に良い影響を与えることが多くの研究で示されています。特に、地中海式の食事パターンに組み込むことで、全体的な健康効果が期待できます。
多価不飽和脂肪酸(PUFA): 魚やナッツ、種子からの摂取も重要です。これらはオメガ-3脂肪酸を含み、抗炎症作用や心血管リスクの低減に寄与します。
要するに、動物性脂肪やオリーブ油を含む食材をバランスよく摂取しつつ、他の健康的な脂肪酸源も取り入れることが、脳卒中やその他の健康リスクを低減するための良いアプローチです。』