元
耳たぶのしわ(ELC)と脳小血管病(SVD)の関連性はこれまで十分に研究されていなかった。
そこで脳梗塞患者について、SVDのうち脳の白質高信号(WMHs)や脳萎縮との関連、そしてELCのリスク要因としての役割をくわしくしらべてみたそうな。
中国の急性脳梗塞(AIS)患者730名を対象に、耳たぶにしわがあるかどうかでグループ分けした。MRIを用いて脳のWMHs、PVH(脳室周囲高信号)、DWMH(深部白質高信号)、脳萎縮を評価した。
次のことがわかった。
・AIS患者の約71.2%がWMHsを持ち、61.0%がPVH、63.3%がDWMH、80.3%が脳萎縮を有していた。
・耳たぶにしわがある患者は、PVH(オッズ比1.79)や脳萎縮(オッズ比6.18)のリスクが高かった。
・特に両側にしわがある場合、WMHs、PVH、脳萎縮のリスクがより高かった(オッズ比8.50)。
・さらに、68歳以下の患者では、耳たぶのしわとSVDとの関連が特に強かったが、68歳を超えるとこの関連は見られなかった。
耳たぶのしわ、特に両側にしわがあるばあい、脳の白質病変や脳萎縮と関連しており、これらは脳小血管病の指標となる可能性がある。この関連は特に68歳以下の患者で顕著であり、耳たぶのしわが年齢依存のリスクマーカーであることを示唆している、
というおはなし。
感想:
AI『耳たぶのしわ(ELC)は、加齢のサインとされるが、心血管疾患や脳血管疾患とも関連している可能性がある。動脈硬化などで血管の弾力性が低下し、それがしわとして現れると考えられており、脳卒中や心筋梗塞のリスクを示す重要な指標とされている。』