元
脳内にある未破裂脳動脈瘤(UIA)は、その名の通り、破裂していない脳動脈の膨らみである。
破裂すると命に関わる可能性があるが、破裂しない場合でも患者にとっては大きな心理的負担をもたらす。
そこで、UIAの診断が精神疾患の発症リスクにどのように影響するかをくわしくしらべてみたそうな。
韓国の全国的な医療データベースを用いた後ろ向きコホート研究である。
2011年から2019年の間にUIAを新たに診断された患者と、UIAが診断されておらず上気道感染症(URI)を持つ対照群を比較した。。
年齢、性別、社会経済的地位などを一致させた1:4のプロペンシティスコアマッチングを行い、10年間にわたる精神疾患の発症率を調査した。
次のことがわかった。
・UIAを診断された患者は、不安障害やうつ病、不眠症といった精神疾患のリスクが有意に高いことが示された。特に、以下の精神疾患が多く見られた:
・不安およびストレス関連障害:UIA診断による「時限爆弾を抱える」ような感覚が、持続的な不安とストレスを引き起こす。
・うつ病:将来への不安や生活の制限が、抑うつ感を増幅させる。
・不眠症:診断後のストレスが睡眠の質に悪影響を与え、不眠症状を引き起こす。
・特に若年層でこれらの精神疾患のリスクが高く、UIA診断による心理的負担が主要な要因と考えられる。
UIAの診断は、破裂のリスクが低くても患者に大きな心理的負担をもたらし、その結果、精神疾患を発症するリスクが高まることがわかった。この研究は、UIA診断を受けた患者に対する包括的なケアが必要であることを示唆している。医師は、UIAがもたらす心理的負担を考慮し、適切なサポートを提供することが求められる、
というおはなし。
感想:
30年ほど前、未破裂脳動脈瘤ビジネスを初めて目の当たりにした。
非侵襲検査が売りのMRIを「悪用」しているとしか思えず、長年ずっともやもやしていた。
このブログをやるようになって、かつての直感がまったく正しいことがわかりとても満足している。