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脳卒中後の患者は、日常生活に支障をきたす障害を抱えることが多い。
栄養状態の悪化は、脳卒中後の回復に大きな影響を与えることがある。
栄養療法が障害軽減や日常生活動作(ADL)の改善にどのような影響を与えるかをあきらかにするべくシステマチックレビューをこころみたそうな。
Cochrane Stroke Group、CENTRAL、MEDLINE、Embase、CINAHL、AMEDのデータベースを用いて、2024年2月19日までに公開されたランダム化比較試験(RCT)を対象に検索を行った。
栄養療法を通常ケアや他の栄養療法と比較するRCTを選定した。
栄養療法は、経口、経腸、経静脈によるエネルギー、タンパク質、アミノ酸、脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどのサプリメントの投与を含むと定義した。
二人のレビュー著者が独立してデータを抽出し、バイアスリスクとエビデンスの確実性を評価した。
次のことがわかった。
・52のRCTが選定され、11,926人の参加者が含まれた。
・研究の多くは急性期で行われたが、亜急性期や慢性期を対象とした研究も含まれている。
・経口エネルギーおよびタンパク質サプリメントは、ADLの改善や体重増加に寄与する可能性があるが、エビデンスの確実性は非常に低い。
・障害の軽減には明確な効果が見られなかった(mRSスコアでの評価)。
・全死亡率の低下についても有意な効果は認められなかった。
・副作用として、下痢、血糖値の異常(高血糖または低血糖)のリスクが増加した。
・研究の多くは小規模で、メタアナリシスを行うには不十分なデータであった。
・バイアスリスクが高く、ほとんどの研究で盲検化がされていなかった。
栄養療法が脳卒中後の障害軽減やADLの改善に与える効果は不確かである。特に経口エネルギーおよびタンパク質サプリメントに関するエビデンスの質は低く、結果を確定するためにはさらなる研究が必要である。副作用のリスクも考慮する必要があり、今後の研究では、より厳密な方法論と報告が求められる、
というおはなし。
感想:
うまいはなしはないってことか。