元
ナットウキナーゼ(NK)は、納豆から得られる酵素であり、血液をサラサラにする効果があることで知られている。
しかし、最近の研究では、この酵素が単なる血栓溶解作用にとどまらず、脳の保護にも大きな可能性を秘めていることが明らかになった。
脳卒中は、脳内の血管が詰まることで脳組織が損傷を受ける病気で、後遺症を残すことが多い。
そこで、ナットウキナーゼが脳卒中に対してどのような神経保護効果を持つのか、そのメカニズムを詳しくしらべてみたそうな。
ナットウキナーゼが脳卒中による脳のダメージをどのように軽減するのかを調べるために、実験用ラットを使用した。
ラットには脳の血管を一時的に閉塞する手術を行い、その後再び血流を回復させることで脳卒中を再現した。
この状態を「脳虚血再灌流障害」と呼び、実際の脳卒中に近い状態を模倣するものである。
ラットには手術の前からナットウキナーゼを7日間投与し、手術後に脳の損傷具合や炎症、酸化ストレスの程度を測定した。
また、細胞レベルでもナットウキナーゼの効果を調べるため、脳内の免疫細胞や神経細胞を使った実験を行った。
次のようになった。
・ナットウキナーゼを投与されたラットでは、脳の損傷が少なく、神経症状も軽減された。
・また、炎症を引き起こす物質や血液の凝固に関与する因子のレベルが低下し、脳のダメージを和らげることが確認された。
・特に、ナットウキナーゼが脳細胞死を防ぐために働くさまざまなメカニズムが明らかになった。
・たとえば、ナットウキナーゼは、細胞が不要な成分を処理する「オートファジー」や、細胞が計画的に死ぬ「アポトーシス」などのプロセスを調整し、脳細胞を保護していた。
・また、ナットウキナーゼの効果は、その酵素活性に依存しており、熱処理されたナットウキナーゼではこの効果が見られなかった。このことは、ナットウキナーゼの酵素としての働きが非常に重要であることを示している。
ナットウキナーゼが脳卒中による脳のダメージを軽減し、神経を保護する強力な効果を持つことを確認した。特に、炎症や酸化ストレス、血液の凝固といった脳卒中に関連する要因に対して、ナットウキナーゼが多方面から働きかけることがわかった。ナットウキナーゼは脳卒中の予防や治療において大きな可能性を秘めていると言える、
というおはなし。
感想:
納豆はまいにちたべてる。