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脳損傷は、外傷性脳損傷(TBI)、脳梗塞、脳出血のいずれにおいても、患者の生命や生活の質に重大な影響を与える。
これらの患者は、発症後の治療と回復の過程で、栄養状態が重要な役割を果たす。
特に入院時に行われる栄養評価は、早期の介入を可能にし、予後を改善するための鍵となる。
これら3つの脳損傷タイプにおける栄養不良リスクとその予後への影響をくわしくしらべてみたそうな。
2017年から2023年にかけてICUに入院した外傷性脳損傷、脳梗塞、脳出血の患者を対象に、入院時にPNI(Prognostic Nutritional Index)を用いて栄養状態を評価した。
PNIは、血清アルブミン濃度とリンパ球数に基づき算出され、栄養不良リスクを分類する。
これにより、各脳損傷タイプにおける栄養状態が患者の予後にどのように影響するかを検討した。
次のことがわかった。
・外傷性脳損傷、脳梗塞、脳出血のいずれにおいても、入院時に重度の栄養不良リスクが高い患者が多かった。
・具体的には、外傷性脳損傷患者の60%、脳梗塞患者の64%、そして脳出血患者の70%以上が、重度の栄養不良リスクを抱えていた。
・特に脳出血患者において、栄養不良の有病率が最も高く、PNIが低い患者では長期的な死亡率が急激に上昇する傾向が確認された。
・外傷性脳損傷および脳梗塞の患者でも栄養不良は予後に悪影響を与えているが、脳出血患者の予後への影響は特に顕著であり、栄養不良が長期的な生存率に深刻な影響を及ぼしていることが示された。
外傷性脳損傷、脳梗塞、脳出血のいずれの患者においても、入院時の栄養評価は極めて重要である。特に脳出血患者では、栄養不良リスクが高く、これが長期死亡率に直結することが明らかとなった、
というおはなし。
感想:
脳が血を吹く前の10年間ほどは、動物性の食事をほとんど口にしなかった。
入院時の血液検査でコレステロール値の低さを指摘され、「まともな食事してないんでしょ」と言われた思い出。