元
高齢者における転倒は、最も一般的な外傷の原因であり、頭蓋内出血(ICH)を引き起こす主要な要因である。
特にアルコール使用は、転倒リスクを高め、結果としてICHのリスクを増加させる可能性がある。
そこで、高齢者の転倒による頭部外傷患者における自己申告による飲酒頻度とICHの関連をくわしくしらべてみたそうな。
Geriatric Head Trauma Short Term Outcomes Project (GREAT STOP)のデータを二次解析した。
対象は65歳以上で、転倒による鈍的頭部外傷を受けた患者である。
飲酒頻度は「飲まない」「時々飲む」「週に1回」「毎日」の4つに分類された。
主要な結果は、頭部CTで検出された急性ICHである。
患者の特性および頭部外傷のリスク要因を調整したうえで、飲酒頻度とICHの関連を評価した。
次のようになった。
・3128人の参加者のうち、18.2%が飲酒しており、そのうち20.5%が時々飲み、22.0%が週に1回、25.1%が毎日飲んでいた。
・飲酒しない場合のICH発生率は12.0%であったが、時々飲む場合は20.5%、週に1回の場合は22.0%、毎日飲む場合は25.1%であった。
・抗血小板薬および抗凝固薬の使用を調整後のオッズ比は、時々飲む場合が2.0、週に1回が2.1、毎日飲む場合が2.5であり、飲酒頻度に応じた用量反応関係が見られた。
高齢者の転倒による頭部外傷患者において、アルコール使用はICHのリスクを増加させる独立した要因である。特に飲酒頻度が高いほど、そのリスクは高まることが確認された。このため、転倒予防戦略にはアルコール使用の抑制を含めるべきである、
というおはなし。
感想:
どきどき飲むだけでいきなりリスク2倍ってこと。