元
ABO式血液型と脳卒中に関するこれまでの研究では、非O血液型における脳卒中リスクの上昇を示唆するものが多く、論争が続いてきた。
しかし、血液型と脳卒中の種類との関係やその基礎となるメカニズムの研究は限られているのでくわしくしらべてみたそうな。
2つのABO遺伝子座にもとづいて、脳梗塞(IS)患者9,542人の血液型をO型と非O型に分類した。
健常人集団は1000 Genomes Projectから得た。
脳梗塞患者は原因別に分類され、
血液型間のタンパク質の発現差も分析した。
さらに、ABO遺伝子の発現が低下したHT29細胞株とSW480細胞株を作製し、コレステロールの取り込みと排出能への影響を評価した。
次のことがわかった。
・脳梗塞患者では、健常人(61.54%)よりも非O型の割合が高かった(70.46%)。
・血液型分布には脳梗塞のサブタイプ間で顕著な違いが認められ、非O型患者は主に大血管アテローム性動脈硬化症(LAA)がおおかった。
・低比重リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、活性化部分トロンボプラスチン時間、トロンビン時間などの臨床ベースライン特性は血液型によって有意に異なっていた。
・O型血液型では17個のタンパク質発現が増加し、42個の発現が減少していることが明らかになった。
・低下したタンパク質は主に脂質代謝経路に関連していることが示された。
・In vitroの実験から、ABO遺伝子の発現を低下させるとコレステロールの取り込みが減少し、コレステロールの排出が増加することが明らかになった。
非Oの血液型を持つ人は、コレステロール代謝がO型の人に比べて好ましくない状態にあるため、大血管アテローム性動脈硬化症(LAA)タイプの脳梗塞リスクが増加することが明らかになった。具体的には、非O型の人々はコレステロールの取り込みが増加し、排出が減少する傾向があり、これが高いLDLコレステロールレベルと動脈硬化のリスク増加に繋がる、
というおはなし。
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