元
夏季における気象条件の変動は、健康に大きな影響を与えることが広く知られている。
特に、高温や急激な温度変化は、熱中症や心血管疾患などのリスクを高めるとされている。
脳卒中もその一つであり、気温の変動が脳卒中の発生リスクに与える影響については多くの研究が行われているが、これらの影響は地域や気候条件によって異なる。
そこで、中国天津市を対象に、夏季の気象条件が脳卒中による入院数に与える影響をくわしくしらべてみたそうな。
2016年から2022年の夏季に、天津での96,509件の脳卒中入院データを収集し、対応する気象データも収集し関連を解析した。
次のことがわかった。
・夏季の低気温と高気温はどちらも入院リスクを高めることが示された。
・最高気温が脳卒中入院に及ぼす影響は、気温が高い場合は即時性があり、気温が低い場合は遅延性がある。
・また、気温上昇による脳卒中入院リスクの増加は、気温低下によるリスク増加よりも顕著であった。
・急激な気温上昇、急激な気温低下、高気温の持続、という3つの気象変化のうち、1つ以上が起こった場合、その日に入院した脳卒中患者数は、同時期の平均よりも多くなった。
・入院患者数の多かった事象の83%は、急激な気温の変化と高温の持続の組み合わせによるものだった。
・入院患者数の多い事象の48%では、30℃以上の高温が4日以上連続していた。また、55%の高温日には高湿度も伴っていた。
・1日の相対湿度が70%以上でかつ1日の最高気温が26~28℃または34℃以上、あるいは48時間以内に10℃以上の最高気温の変化があった場合、1日の入院患者数は平均入院患者数の1.2倍以上にのぼった。
夏季の脳卒中予防では、高気温の持続と急激な気温変化の複合的な影響に、より注意を払う必要がある、
というおはなし。
感想:
まさに今、って感じに蒸し暑い。