元
脳卒中リハビリテーションにおいて、適切な支援装置の選択は患者にとって非常に重要である。
特に、上肢ロボットは、時間枠内でより多くの動作反復を可能にすることから、脳卒中患者の機能向上に寄与する可能性がある。
そこで、脳卒中患者におけるロボットによる支援が上肢機能に与える治療効果について、ランダム化比較試験(RCT)から得られた臨床的証拠のメタアナリシスをこころみたそうな。
次のことがわかった。
・31件のランダム化比較試験(RCT)が質的統合の対象となった。
・ランダム化プロセスにはほとんどバイアスが見られなかったが、介入意図によるバイアスや結果データの欠損については一部懸念があった。
・上肢機能の評価としてFugl-Meyer Assessment-Upper Extremity(FMA-UE)スコアにおいて、グループ間で有意な差が見られた。
・FMA-UEスコアの総平均差(95%信頼区間)は2.40(0.21から4.60)であった。
・異質性の指標として、Tau2 = 0.32、カイ二乗 = 8.22、自由度 = 8(p = 0.41)、I2 = 3%であり、異質性は有意に低かった。
。FMA-UEの全体効果のテストではZ = 2.14(p = 0.03)であり、統計的有意だった。
・慢性期脳卒中患者において、FMA-UEスコアのみに有意な差が見られ、他のすべてのアウトカム指標には有意な差が見られなかった。
上肢ロボットは、慢性脳卒中患者のFMA-UEスコアを除き、上肢の機能改善において従来の治療法と比較して有意な優越性を示さなかった。
FMA-UEの平均差も最小重要差(MID)を下回っていた、
というおはなし。
感想:
ロボット支援による上肢リハビリの効果は気のせいレベルってこと。