元
脳卒中などの神経疾患を持つ人々の歩行訓練において、
理学療法士が回復的リハビリテーションまたは代償的リハビリテーションを選択する際に影響を与える要因と、それぞれのアプローチで用いられる治療法についてくわしくしらべてみたそうな。
歩行機能に重点を置いた理学療法(PT)を少なくとも10回受けた83人の神経疾患患者(脳卒中後遺症65人、多発性硬化症5人、パーキンソン病13人)のデータを分析した。
パフォーマンスは、
修正版ダイナミック・ゲイティング・インデックス(MDGI)、
Fugl-Meyer Assessment for lower extremity(mFM-LL)の下肢機能障害3領域、
Activities-specific Balance Confidence(ABC)、
修正版Barthel Index(mBI)、
Mini-Mental State Examination(MMSE)、
Motivational Index(MI)を用いて数値化した。
43人の理学療法士が、リハビリテーションのアプローチを分類し、使用した治療(例:レジスタンス・トレーニングや固有感覚運動)を特定する報告書を作成した。
次のことがわかった。
・56人の被験者が回復リハビリテーションのアプローチを受けた。
・亜急性期(発症から180日未満)にある患者は、回復的アプローチを受ける可能性が非常に高い。
・下肢機能スコア(mFM-LL)が高い患者は、回復的アプローチを選ばれる可能性が高い。
・日常生活動作の自立度スコア(mBI)が高い患者も、回復的アプローチを選ばれる可能性が高い。
・治療セッション数が多いほど、回復的アプローチを受ける可能性が高い。
・認知機能スコア(MMSE)については、単変量解析ではスコアが高いほど回復的アプローチが選ばれ、複数要因を同時に考慮する後方逐次解析ではスコアが低いほど回復的アプローチが選ばれた。
・Motivational Index (MI) については、いずれの解析でも有意な関連は示されなかった。
・治療方法とアプローチの間に統計的に有意な関連は見られなかった。
神経疾患の歩行リハビリには、回復アプローチがより一般的に使用されていた。このアプローチに関連する主な変数は、疾患が亜急性期であること、障害のレベルが低いこと、ベースラインでの機能的自立度が高いことであった。
しかし、回復アプローチと代償アプローチで用いられる治療には有意な違いが見られず、どちらにも同様の理学療法的手法が用いられていた、
というおはなし。
感想:
建前的には、回復アプローチは、
で、代償アプローチは、
を検討するのだけれど、
面倒くさいからどんな患者でもお散歩やストレッチでお茶を濁しているのが現実ってこと。