元
運動は脳卒中後の認知機能の改善に効果的な非薬物的介入方法として推奨されている。
運動は脳由来神経栄養因子(BDNF)の増加を通じてシナプス可塑性、神経新生、および血管新生を刺激し、脳の灰白質密度の増加や海馬体積の変化を引き起こす。
これまでの研究は運動の効果に関して矛盾する結果を示しており、特に被験者の年齢、運動の種類、期間、頻度によって効果が異なることが報告されている。
そこで、メタアナリシスでこれらの要因を考慮し、運動が脳卒中患者の認知機能に与える全体的な影響をくわしくしらべてみたそうな。
次のようになった。
・PubMed、Web of Science、Embase、Cochrane、Scopusの電子データベースを2023年3月13日まで検索した。
・25件のランダム化比較試験が選択基準を満たした。
・脳卒中患者の認知機能改善に運動が有意な効果をもたらすことが示された(Cohenのd = 0.37、95% CI、0.16~0.58、p < 0.01、I2 = 22.12%)。
・サブグループ分析では、運動が「記憶力」を大幅に改善することが示された。
・さらに、有酸素運動、12週間以上、週3回以上、1回あたり60分未満、週180分未満、脳卒中後12か月以内の運動は、認知機能を大幅に改善することが示された。
運動は脳卒中患者の認知機能を有意に改善した。認知機能を改善するには、少なくとも週3回、30~60分間の有酸素運動が適している、
というおはなし。
感想:
ただし、運動セッションが1回あたり60分を超えると、効果が有意で無くなった。
がんばればいいってものでもないみたい。