元
脳卒中などの心血管疾患リスクに寄与する代謝物や経路はあきらかになっていない。
低カロリー甘味料は、加工食品に広く使用されている砂糖代替品で、健康によいと考えられている。
多くの低カロリー甘味料は糖アルコールで、体内でも自然に少量生成される。しかし、これらの甘味料を砂糖の代わりに摂取すると、その濃度は一時的に体内で自然生成される量の1000倍以上になる。
そこで、キシリトールが心血管疾患に与える影響をあきらかにするべく、血小板反応や血栓形成についてくわしくしらべてみたそうな。
急性疾患のない1157人において、一晩絶食したのちの血漿サンプルのメタボロミクス研究を実施。その後、別の2149人について、安定同位体クロマトグラフィー質量分析を実施した。
補完的にヒト単血小板、血小板濃縮血漿、全血、動物モデルを用いた研究で、キシリトールの血小板反応性と生体内の血栓形成に対する影響を調査した。
さらに、健常ボランティア10人を対象に、キシリトールの摂取が血小板機能に及ぼす影響を評価するための介入試験を実施した。
次のようになった。
・最初の無作為メタボロミクス研究では、キシリトールの血中レベルが、3年間の主要有害心血管イベント(MACE:心筋梗塞、脳卒中、死亡)リスクの発生と関連していることが明らかになった。
・その後、キシリトールに特異的な安定同位体クロマトグラフィー分析により、新規MACEリスクとの有意な関連が確認され、キシリトール摂取がおおいとMACEリスクは1.57倍高かった。
・補完的メカニズム研究では、絶食時の血漿で観察されるレベルにおいて、キシリトールが血小板反応性と生体内の血栓形成の複数の指標を増強することが示された。
・介入研究では、キシリトール入り飲料の摂取により、全被験者の血漿中濃度が著しく(1000倍)上昇し、血小板の反応性に関する複数の機能的指標が増強した。
キシリトールは主要有害心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、死亡)リスクの増加と関連している。さらに、キシリトールは、生体内で血小板の反応性と血栓形成能の両方を高めた、
というおはなし。
感想:
アスパルテーム(発がん性の人工甘味料)を一切ふくまないキシリトールガムをわざわざ取り寄せて毎日1個ずつ食べていたので関心をもった。
ガム1個に含まれる程度なら、、まあセーフだろう。