元
脳卒中予防は世界的な喫緊の健康課題であり、脂質の上昇を抑えることが主要な戦略として認識されている。
16億人以上をかかえる世界最大の人種グループである「東アジア人」は、この取り組みにおいて重要な集団である。
しかし、この集団における脳卒中予防のための脂質低下療法の有効性は依然としてあきらかでないのでメタアナリシスをこころみたそうな。
東アジア人における脳卒中発症に対する脂質低下療法の長期的な影響を評価するために、少なくとも3年間の追跡調査を伴う大規模ランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスを実施した。
2024年1月11日までの4つの電子データベースを系統的に検索した。
次のようになった。
・54,354人の参加者を対象とした9件の大規模RCTのデータを解析対象とした。
・解析の結果、脂質低下療法は、長期的にみたすべての脳卒中、脳梗塞、または脳出血の発生率に有意な影響は認められなかった。
・注目すべきことに、異質性や出版バイアスを示す証拠はなく、GRADE評価ではエビデンスの質は高いとされた。
・感度分析により、結果の堅牢性が確認され、全体的な結果に重大な影響を与える研究は1つもなかった。
・さらに、サブグループ解析でも常に結論が支持され、研究の信頼性が一層強化された。
脂質低下療法は東アジア人の長期的な脳卒中予防には全く効果がないことが明らかになった、
というおはなし。
感想:
見た目がふとましいというだけでスタチンとか飲まされている日本人は少なくないと思うけど、副作用があるだけで脳卒中的にはなんのベネフィットもない、ってこと。