元
事前に何らかの処置によって得られた脳の虚血耐性は、やむをえず脳梗塞が起こった場合に脳を守るよう働くことが知られている。
現在、すでに雄のマウスにおいて、間欠的絶食(IF:1日15時間絶食)を短期間(6週間)行うと、長期間(12週間)行う場合と同様の虚血耐性が生じることがわかっている。
そこで、同様のIF介入が、老マウスやメスマウスにも虚血耐性をもたらすものか実験し、そのメカニズムを検証してみたそうな。
次のようになった。
・IF後に一過性の中大脳動脈閉塞術(MCAO)を受けたマウスでは、再灌流1日目から14日目の間に運動機能(回転式運動器およびビームウォークテスト)が改善し、再灌流1日目の梗塞サイズが、年齢と性別を一致させた自由摂食(AL)の対照群と比較して小さくなった。
・食事は腸内細菌叢の構成に影響を及ぼし、脳卒中によって腸内細菌叢の異常が引き起こされることが知られている。今回、IF群がAL群と比較してMCAO後の腸内細菌叢の有益な表現型を促進することを示していた。
・さらに、神経保護作用があることが知られている短鎖脂肪酸(SCFA)のMCAO後のレベルは、IF群の糞便サンプルの方がAL群よりも高いことが分かった。
間欠的断食は、年齢や性別に関係なく、脳梗塞後の脳を保護するはたらきを示した。おそらく、それは腸内細菌叢と短鎖脂肪酸産生に変化をもたらすことによって実現されていると考えられる、
というおはなし。
感想:
間欠的断食は脳卒中からの回復をうながす。
しかし、1食あたりにドカ食いするようになるため、脳卒中予防的には好ましくない。