元
脳血管疾患は最もよくある神経疾患の一つであり、高い死亡率と障害率により、人々の健康を著しく脅かし、医療システムに大きな負担をかけている。
近年、消化器系疾患と脳血管疾患の関連性を示唆するいくつかの研究結果が発表されているが、その結論は一致していない。
そこで、消化器系疾患12種類と脳血管疾患に関するゲノムワイド関連解析(GWAS)データを用いて、「因果関係」をあきらかにするべくメンデルランダム化(MR)解析をこころみたそうな。
次のようになった。
・遺伝的に予測される胃食道逆流症(GERD:胃内容物が逆流し食道粘膜に炎症を引き起こす慢性病)と、全脳卒中(AS)、全脳梗塞(AIS)、主幹動脈硬化症脳卒中(LAS)、頭蓋内動脈瘤(IA)、くも膜下出血(SAH)との間に有意な因果関係があることが明らかになった。
・収縮期血圧(SBP)、肥満度(BMI)、2型糖尿病(T2D)を調整した後でも、因果関係は依然として存在した。
・肥満度(BMI)、収縮期血圧(SBP)、2型糖尿病(T2D)がGERDと脳血管疾患の因果関係において媒介的役割を果たしていることがわかった。
胃食道逆流症と脳血管疾患の間にあきらかな正の因果関係があることがわかった。この関係はBMI、SBP、T2Dを調整した後でも有意なままであった、
というおはなし。
感想:
メカニズムの候補として、
胃にピロリ菌感染→胃食道逆流症→全身性の炎症→動脈硬化→脳卒中
が挙げられてた。