元
血圧(BP)と降圧治療が脳小血管疾患(ラクナ梗塞、脳微小出血など)に及ぼす影響については、これまでの研究で相反する結果が得られていた。
そこで、メンデルランダム化解析を実施し、血圧と降圧剤および脳小血管疾患との因果関係をくわしくしらべてみたそうな。
ゲノムワイド関連研究(N=757 601)から収縮期血圧および拡張期血圧と関連の強い一塩基多型を抽出し
さらに、降圧薬の種類別(カルシウム拮抗薬(CCB)、チアジド系利尿薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、β遮断薬)に関連する一塩基多型を、操作変数として層別化した。
次に、脳小血管疾患としての白質高輝度領域、脳微小出血、白質周囲血管腔、基底核周囲血管腔、海馬周囲血管腔、ラクナ梗塞をアウトカムデータセットとして選択した。
次のようになった。
・収縮期血圧の上昇は、基底核周囲血管腔、海馬周囲血管腔、ラクナ梗塞のリスクを著しく増加させることがあきらかになった。
・収縮期血圧の上昇が、白質高輝度領域の増加および脳微小出血のリスク増加につながることが示唆された。
・拡張期血圧の上昇は、白質高輝度領域の増加と有意に関連しており、基底核周囲血管腔および海馬周囲血管腔、ラクナ梗塞のリスクを大幅に増加させた。
・血圧を下げるカルシウム拮抗薬の使用は、白質高輝度領域の減少と有意に関連しており、また、基底核周囲血腔および海馬周囲血管腔のリスクを大幅に減少させた。
降圧薬の種類の中で、カルシウム拮抗薬(CCB)のみが脳小血管疾患(白質高輝度領域、基底核周囲血管腔、海馬周囲血管腔)のリスクを有意に減少させうることがあきらかになった。また、血圧を下げることがラクナ梗塞や脳微小出血のリスク低減につながる可能性が示された、
というおはなし。
感想:
こいつ↓の意味がようやくわかった。CCBなら効くんよ たぶん。
ドラムヴォーカルが1年半ほど前に脳梗塞で
亡くなっていた。おなじ60歳だった。