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心房細動(AF)はよくあるタイプの不整脈であり、ヨーロッパでは600万人以上が罹患している。
心房細動の発生率と有病率は年齢とともに上昇する。
心房細動に関連する危険因子としては、高血圧、糖尿病、左房拡大、虚血性心疾患、うっ血性心不全などがある。
このような背景から、海洋由来のn-3(オメガ3)系多価不飽和脂肪酸(PUFA)のサプリメント補給が広く議論されているが、実験的研究や観察研究の結果は、ランダム化比較試験(RCT)とは対照的である。
そこで、心房細動とn-3 PUFAとの関連についてレビューをこころみたそうな。
次のことがわかった。
・長期追跡を伴う大規模なプラセボ対照n-3系PUFAサプリメント試験では、用量依存的な心房細動リスクの上昇が示された。
・n-3系PUFAの1日摂取量が1g/日以上であれば心房細動リスクは50%上昇するが、1日摂取量が1g/日未満であれば心房細動は12%しか起こらない。
・心血管疾患リスク(CVD)が高く、中性脂肪が高い人は、n-3 PUFAを補充すると心房細動を発症しやすいようである。
・したがって、特に高年齢、心血管リスク、高中性脂肪、糖尿病を有する患者は、n-3 PUFAのサプリメントには注意が必要である。
これまでのデータでは、心房細動リスクの増加と、脳卒中など心血管疾患に対する有益性が乏しいため、予防目的でn-3系PUFAをサプリメント摂取することは勧められない。
しかし、n-3系PUFAを多く含む魚を定期的に摂取している人のCVDリスクが低いことを示す観察研究があるため、より多くの臨床研究が必要である、
というおはなし。
感想:
ふとましいひとがオメガ3系サプリメントをたくさん摂ると心房細動になってあぶないってこと。