元2024 5月 日本
代謝的に健康な肥満は必ずしも長期的に安心のできる状態ではない。
そこで、臨床プロファイルが一致する代謝的に健康な肥満と非肥満グループを比較することで、代謝的に健康な肥満の予後をくわしくしらべてみたそうな。
日本の健康診断データを含む健康保険データセットを分析した。
分析対象となったデータには、65歳未満の168,699人が含まれていた。
肥満はBMIが25 kg/m²以上と定義した。
代謝的に健康とは、1つ以下の代謝リスク要因(高血圧、LDLコレステロールの高値、HDLコレステロールの低値、または高ヘモグロビンA1c)で定義した。
保険データから特定された脳卒中、心筋梗塞、および全死亡の発生率を、代謝的に健康な肥満グループと非肥満グループ(それぞれn=8644)で比較した。
次のようになった。
・各発生率は、脳卒中(肥満: 9.2/10,000人年; 非肥満: 10.5)、心筋梗塞(肥満: 3.7; 非肥満:3.1)、および全死亡率(肥満: 26.6; 非肥満: 23.2)であり、代謝的に健康な肥満グループと非肥満グループの間で有意な差はなかった。・腹部肥満を考慮した解析でも同様であった。・代謝的に健康でない肥満グループと非肥満グループ(それぞれn=10,965)の比較においても、関連性の欠如が観察された。・5.6年の追跡調査で、代謝的に健康な肥満集団は非肥満集団に比べて代謝プロファイルの悪化はほとんどなかった。

