元
動脈瘤性くも膜下出血(aSAH)の生存者は、多くの場合、重篤な身体障害や認知障害を伴わずに回復する。
しかし、転帰がきわめて良好なくも膜下出血患者においても、就労への関与が著しく低いことが報告されている。
aSAH後の職場復帰(RTW)に関する知見やRTW不能の予測因子は依然として限られており議論の余地がある。
そこで、全重症度のaSAH患者において、発症後5年までの再就労率および予測因子をくわしくしらべてみたそうな。
2012年1月から2018年3月までに治療を受けた18歳以上のaSAH生存者500例すべてを対象とした。
次のことがわかった。
・RTWは、発症時に就労していた299人の患者で評価された。
・そのうち63.2%が女性で、平均年齢は51.3であった。
・収入をともなう仕事への復帰率は51.2%で、もとの職への完全なRTWは32.4%であった。
・くも膜下出血でRTWが得られなかったことの独立予測因子は、年齢、WFNSグレード3、現在喫煙であった。
・最も強い独立した予測因子は、臨床的に有意な「疲労」の存在であり、これは復職できないリスクを5倍増加させた。
・収入をともなう仕事への復帰の可能性は、出血前の教育年数によって有意に増加した。
・WFNSグレード1~2の患者はWFNSグレード3~5の患者よりも復職率が高かったが、運動機能障害の存在がくも膜下出血自体の重症度よりも影響がおおきいと考えられた。
くも膜下出血後の「疲労」は職場復帰への道のりの重要な要素として取り組む必要がある、
というおはなし。
感想:
この論文の導入部に惹かれた。↓
「aSAH後の機能的な転帰は、しばしば神経学的欠損の有無によって評価される。しかし、aSAHの生存者は身体的には完全に回復することが多いというパラドックスが存在する。」
Functional outcome after aSAH is often deemed by the presence or absence of neurological deficits, and there exists a paradox in that survivors of aSAH often recover to being physically intact .
これはパラドックスでもなんでもない。
くも膜下出血は、脳梗塞や脳内出血とことなり脳の外での出来事であるため、血腫が吸収されると脳へのダメージが一切残らないから完全回復できる。
くも膜下出血の危険性を煽る論調ばかりでうんざりしていたので新鮮に感じた。
とくに、グレードⅠやⅡの患者は顔、腕、口、のFAST症状がないただの頭痛だけなのでおおくの患者は深刻に考えず病院にもゆかないで我慢してやり過ごす。
そして完全回復する。
これらの病院にゆかない患者はくも膜下出血としてカウントされない。
剖検調査によるとくも膜下出血の潜在的発生率は10倍くらいあって、実際はめずらしくもなんともない病気であることがうかがえる。
頭痛を我慢していれば勝手に完全回復できるのに、効果の証明されていない動脈瘤治療を強制することでおおくの患者が亡くなったり障害を負ったりしている。
動脈瘤治療をすると1千万円くらいの保険収入になるのと医師の手技練習の絶好の機会、がこの習慣が続いている理由と考える。
この論文の「疲労」の原因も、半ば強制的に行われる動脈瘤治療の後遺症だとおもうよ。
さもありなん
「日本の99.9%以上の医師は、新型コロナウイルスのワクチンを少なくとも黙認した。これは後世に語り継がれるべき事実である。
当時の医師は、地域の人々から厚い信頼を寄せられ、また彼らの中には家庭で立派な親である者もいた。」edited by
GPT-4
予想外の人口減少が拡大中。2019年までの自然減傾向から予測される外挿値とくらべて、現在すでに100万人以上が余計に亡くなっている。