元
高齢者への降圧薬開始と骨折リスクとの関連については、限られたエビデンスしか存在しない。
そこで、降圧薬投与開始と骨折リスクとの関連を、長期療養介護施設入所者29648人のデータからくわしくしらべてみたそうな。
2006年1月1日から2019年10月31日までの退役軍人保健局(VA)の記録を対象とした。
降圧薬開始エピソードを同定し、治療を開始しなかった同等の対照者とマッチさせた。
降圧薬開始後30日以内の上腕骨、股関節、骨盤、橈骨、尺骨の非外傷性骨折との関連を解析した。
次のことがわかった。
・29,648人のデータが研究に組み入れられた(平均年齢78.0歳;男性97.7%)。
・傾向スコアをマッチさせた入所者64,710人(平均年齢、77.9歳)の対照群において、降圧薬投与を開始した入所者の100人年当たりの骨折発生率は5.4であったのに対し、対照群では2.2であった。
・これは、降圧薬開始によって骨折率が2.42倍になり、100人年あたり3.12人が余計に骨折することに相当した。
・降圧薬投与の開始はまた、入院または救急外来受診を必要とする重度の転倒および失神の高リスクと関連していた。
・骨折リスクの大きさは、認知症、収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧80mmHg以上、最近の降圧薬の使用なし、の順に高くなった。
降圧薬の開始は骨折および転倒のリスク上昇とあきらかに関連していた。これらのリスクは、認知症や高血圧、降圧薬非使用者において顕著に高かった、
というおはなし。
感想:
初回摂取で視界が真っ白になり膝から崩れ落ちた。
そのあと降圧薬から完全に足を洗って9年が経つ。
ちなみに、この4月からの新基準↓