元
未破裂動脈瘤の偶然の発見は画像診断技術の進歩とともに一般的になっている。
動脈瘤は重篤な病状と死亡を引き起こす可能性があるため、偶然に発見された場合でもクリッピングやコイリングによる治療が行われている。
頸動脈洞の動脈瘤は他の動脈瘤に比べて良性の経過をたどるようである。これはおそらく周囲の構造物が物理的に包み込むためと思われる。
しかし、これら動脈瘤のマイクロサージェリーは脳神経外科医にとって技術的に重大な挑戦であり、血管内治療にもリスクがある。
そこで、偶然に発見された頸動脈洞動脈瘤の治療および臨床結果をくわしくしらべてみたそうな。
次のことがわかった。
・56例の患者の、頸動脈洞に発見された59の動脈瘤について追跡した。
・マイクロサージャリー治療を受けた患者はいなかったが、15例の患者15個の動脈瘤に対して血管内治療が行われた。
・治療された15個の動脈瘤の平均サイズは4.6mmであり、未治療の動脈瘤(n=44)では3.0mmであった。
・治療群と未治療群の追跡期間には有意差はなかった。
・56例59個の動脈瘤の追跡期間中央値は52ヵ月であった。
・追跡期間中に頸動脈洞動脈瘤に関連したくも膜下出血を起こした患者はなく、動脈瘤の成長を認めた患者もいなかった。
・血管内治療を受けたうちの2例(13.3%)ではそれぞれステントとコイル留置が行われたが、直後に脳梗塞を発症して永続的障害を負った。
偶然発見された頸動脈洞の動脈瘤に対しては、経過観察が妥当な選択肢となりうる、
というおはなし。
というおはなし。
感想:
脳卒中を防ぐためにおこなった治療が原因で10人に1人以上が脳卒中になり永続的障害を負った、ってこと。
未破裂瘤を治療しなかった者にはなにも起きなかった。