元
四肢除脂肪体重(ALM:Appendicular lean mass)はサルコペニア(筋肉量と筋力の低下)の優れた予測バイオマーカーである。
遺伝学的に予測されるALMが脳卒中やアルツハイマー病(AD)のリスクと因果関係があるかどうかをメンデルランダム化(MR)解析によりくわしくしらべてみたそうな。
ALMに関連する遺伝子変異は大規模ゲノムワイド関連研究(GWAS)から入手し、操作変数(IV)として利用した。
これらIVのランダム化は出生前におこなわれているため選択バイアスの影響を受けにくい。
脳卒中とADの集計データは、対応するGWASから作成した。
次のようになった。
・今回のMR解析では、遺伝学的に予測されるALMと脳梗塞およびADとの有意な逆相関が示された。
・脳梗塞の種類に関しては、遺伝的に予測されるALMは、大血管脳梗塞[LAS]および小血管脳梗塞[SVS]のリスクと関連していた。
・ALMはBMI、LDLコレステロール、心房細動で調整してもAISに対する安定した影響を維持した。
・また、LASに対するALMの効果は、BMIと心房細動で調整しても有意であった。
・さらに、ALMのSVSとADに対する効果は、BMI、糖尿病、LDLコレステロール、心房細動で調整した後も有意であった。
メンデルランダム化解析により、遺伝的に予測される四肢除脂肪体重は脳梗塞およびアルツハイマー病リスクと負の「因果関係」があることが示された。また、脳梗塞の種類別には、大血管脳梗塞または小血管脳梗塞に負の因果関係を有することが明らかになった、
というおはなし。
感想:
「因果関係」が証明されたわけだから、
腕や脚の筋肉を鍛えることがダイレクトに脳卒中やアルツハイマー病の予防になる、ってこと。