元
頸部動脈解離(CAD)の管理は、CADに対する内科的アプローチ(抗血栓薬)と介入アプローチ(ステント留置)を比較した前向き研究の数が少ないため、標準化されていない。
そこで、CADの治療に関する研究のメタアナリシスをこころみたそうな。
3つの異なるデータベース(PubMed、Embase、Cochrane Database)を検索し、CADに対する内科的または介入的アプローチに関する研究を厳選した。
主要なメタ解析におけるバイアスのリスクを減らすため、前向き研究のみが選択された。
次のようになった。
・456件の論文をスクリーニングした結果、6件の前向き研究が同定された。
・CADに対する抗血小板療法(APT)と経口抗凝固療法(OAC)を比較した2件のランダム化比較試験が同定され、CADに対するステント留置を評価した4件の前向き研究も同定された。
・APTとOACを比較したRCTのメタアナリシスでは444例が検討され、APT群とOAC群では脳卒中/死亡の割合はそれぞれ、4.4%、0.4%で、境界有意な差だった。
・CADに対するステント留置に関する前向き研究のプールメタ解析には4シリーズ、計68例が含まれた。
・ステント留置での脳卒中/死亡の割合は7%であった。
頸部動脈解離の治療に関する前向き研究は文献上ほとんど存在しない。脳卒中や死亡を防ぐ効果は抗血栓療法がステント留置よりもすぐれていた。
しかしステント留置については,研究数が少ないため明確な結論とはいいがたい、
というおはなし。
感想:
くびの動脈解離の血管内治療は保存治療よりぜんぜんすぐれてはいない、ってこと。
医者にステント勧められたら断ったほうがいい。