元
破裂または未破裂の脳動脈瘤に対する治療法は、過去20年間で外科的治療(クリッピング)から血管内治療(コイリング)へと移行してきた。
そこで、ヨーロッパの大規模な神経血管センターでこの移行がどのように起こったかをくわしくしらべてみたそうな。
2012年から2022年の間にヘルシンキ大学病院で、未破裂または破裂の脳動脈瘤治療を受けたすべての患者記録を対象に研究を行った。
動脈瘤の部位と破裂の状態別に年齢調整した治療傾向を解析した。
次のことがわかった。
・合計2491例の脳動脈瘤患者が治療を受けた(破裂44%、未破裂56%): 外科的治療が1421例(57%)、血管内治療が1070例(43%)であった。
・全体として、治療された動脈瘤の数は減少傾向にあった。
・外科的治療を受けた患者の割合は2012年の90%から2022年には20%に減少した。
・外科的治療と血管内治療の年齢調整後の減少率は、全動脈瘤で6.9%/年、破裂動脈瘤で6.8%、未破裂動脈瘤で6.8%であった。
・外科的治療の減少は未破裂椎骨脳底動脈瘤(10.8%/年)、未破裂交通動脈瘤(10.1%/年)、破裂交通動脈瘤(10.0%/年)、破裂内頸動脈瘤(9.0%/年)で最も顕著であった。
・中大脳動脈瘤の治療方法に変化はなく、2022年においても85%が外科的治療を受けていた。
・治療された破裂動脈瘤のサイズは大きくなる傾向がみられた。
中大脳動脈瘤を除くすべての動脈瘤の部位で、治療法が外科的治療から血管内治療へと大きくシフトした。このシフトが長期的な安全性と患者の転帰に影響を与えたかどうかは今後評価されるべきである、
というおはなし。
感想:
そして、血管内治療であきらかになった長期的影響がコレ↓。