元
集中治療室に入院した自然発症の脳内出血患者の長期転帰をくわしくしらべてみたそうな。
スペインの3病院(336例)での多施設研究において,死亡率とGlasgow Outcome Scale,Barthel Index,5段階EQ-5D(EQ-5D-5L)スコアを解析した.
次のことがわかった。
・年齢中央値は62歳、グラスゴー昏睡スコア中央値は7点(重度の意識障害)、急性生理・慢性健康疾患分類システムII(APACHE-II)スコア中央値は21点(中‐重症)であった。
・病院での死亡率は54.17%、90日後の死亡率は56%、1年後の死亡率は59.2%、5年後の死亡率は66.4%であった。
・グラスゴー転帰スケールでは、6ヵ月後の患者の21.5%、1年後の患者の25.5%、5年間の追跡調査後の患者の22.1%で、正常または障害下での自活状況が記録された。
・生存者の自立度Barthel Indexスコアは、6ヵ月で50点(25~80点)、1年で70点(35~95点)、5年で90点(40~100点)と経時的に改善した。
・1年後および5年後にQOLを評価したところ、50%以上の患者がすべての項目(可動性、セルフケア、日常生活、疼痛/不快感、不安/抑うつ)において問題がないかわずかに問題があることが示された。
・集中治療患者の大規模データベースMIMIC-III(N=1354)では、院内死亡率は31.83%であり、90日後では40.5%、5年後では56.2%であった。
非外傷性の脳内出血と診断されて集中治療室に入院した患者では、入院後90日までの病院死亡率は非常に高い。しかし入院後90日から5年までの死亡率は高くない。
生存者の大部分はQOLと機能に著しい障害を示すが、時間の経過とともに徐々に改善する。5年後の生存率は30%で、全体の20%は転帰良好であった、
というおはなし。
感想:
入院直後の死亡率は高いけど、3ヶ月以上生き残った者の転帰は概ね良好で、全体の5人に1人はほぼ元通り、ってこと。