元
急性の大血管閉塞(LVO)患者には血管内治療(EVT)が推奨されているが、神経症状の重症度NIHSSスコアが6点以下の軽症患者における内科的管理(MM)と比較したその有効性と安全性は依然として不明である。
そこで、メタアナリシスにより大血管閉塞の軽症脳卒中患者において、EVTとMMを比較してみたそうな。
次のようになった。
・22の研究(4,985例)のメタアナリシスを実施した結果、障害のない転帰(mRS0-1)と機能的自立(mRS0-2)に両群で有意差は認められなかった。
・しかし、2015年から2023年の間に治療を受けた患者では、EVTは90日死亡率および症候性脳出血 sICHの高いリスクを示した。
・EVTは、閉塞部位の近位または遠位にかかわらず、前方循環におけるsICHリスクの上昇と相関した。
・EVTは、症状発現から6時間以内に治療を受けた患者やNHISS≦5の患者におけるsICHリスクの上昇と相関した。
2015年から2023年の間に治療を受けた患者において、急性大血管閉塞の軽症脳梗塞患者に対する有効性は血管内治療と内科的管理に差はなかった。しかし、脳出血や死亡のリスクは血管内治療があきらかに高かった。
血管内治療を続けるには厳密なランダム化比較試験で有効性と安全性を評価する必要がある、
というおはなし。
感想:
「血管が詰まったから掻き出せばいいや」はわかりやすい考え方。
しかし有効性や安全性は医師の思いこみだけでした、ってこと。