元
観察データから、肉類の飽和脂肪酸(SFA)を乳製品に置き換えた場合の脳卒中をふくむ心血管疾患(CVD)発症率の低下が報告されている。
しかし、肉の種類別SFAおよび種類別乳製品とのCVDリスクの関連は不明なので、くわしくしらべてみたそうな。
European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition(EPIC)-Norfolk研究の参加者21841名(女性56.4%、年齢40~79歳)の縦断的データを解析した。
食事データはベースライン時(1993〜1997年)に食物摂取頻度調査票により収集された。
食肉全体、赤肉、加工肉、鶏肉からのSFAをエネルギーベースで2.5%ぶん乳製品全体、牛乳、チーズ、ヨーグルトからのSFAに置き換えた場合のCVDリスクとの関連を推定した。
次のようになった。
・CVD(n=5902)、脳卒中(n=2544)の発症を同定した。
・全体として、食肉からのSFAを乳製品に置き換えることは、CVD発症リスクの11%の低下と関連していた。
・加工肉からのSFAをチーズに置き換えると、CVDリスク23%、脳卒中リスク19%が低下した。
・同様に、赤肉からのSFAをチーズに置き換えることは、CVDリスク14%の低下と関連していた。
・鶏肉からのSFAを牛乳、ヨーグルトまたはチーズに置き換えると、脳卒中の発生リスクが高くなった。これは鶏肉からのSFA摂取量が少ないためと考えられた。
加工肉や赤肉(豚や牛)をチーズに置き換えることで、脳卒中リスクが低下すると考えられた。ただし鶏肉は乳製品に置き換えないほうが脳卒中リスクは低い、
というおはなし。
感想:
「肉ヤベエ」の風潮のなかで、
鶏肉だけは気にしなくてよさそうってこと。