元
心房細動(AF)患者の脳卒中予防には、経口抗凝固薬(通常、直接経口抗凝固薬DOAC)が用いられる。
しかし,抗凝固療法には出血のリスクが伴うため,個々のリスクについて患者にカウンセリングを行うことが重要である。
DOAC治療を始めた患者の多くは介入試験(治験)での条件に合致するが、介入試験でカバーできていない患者群も存在する。
そこで、介入試験での結果と、実際の臨床現場での出血率をくわしくくらべてみたそうな。
Medidata Enterprise Data Storeから入手した企業主導の5件の介入試験(CT)データおよび、実臨床データ(RWD)として HealthVerity™ Marketplaceから入手した出血イベントの発生を比較した。
次のようになった。
・DOAC介入試験のCTデータ3207例とRWDの61,214例の合計64,421例が解析の対象となった。
・全体として、RWDの患者はCTデータと比較して、併存疾患が多く、高齢であり、脳卒中予測スコアCHA2DS2VAScおよび出血予測スコアHAD-BLEDが高かった。
・治療開始後12ヵ月間における最初の命に関わる大出血の発生率を比較すると、RWDにおける発生率が有意に高かった(100人年当たり10.69 vs 18.97)。
・年齢、CHA2DS2VASc、HAD-BLEDスコアなどの影響は両群で同様であったが、CTデータでは高齢女性やおおくの併存疾患を持つ患者の割合が少なかった。
DOACを投与された患者の出血発生率は、介入試験データよりも実臨床データの方があきらかに高かった。このことは、患者の年齢層が高く、病歴が複雑であることで説明できる。
介入試験データをより適切に実際の臨床に反映させるためには、介入試験においては高リスク患者の割合が低く、女性割合も低いことを考慮すべきである、
というおはなし。
感想:
製薬企業のうたう薬の効き目というのは、比較的若くて病状の軽い元気そうな男性を優先して得られている。
だから、病院にもっともおおくいるヨボヨボの高齢者に与えると想像を絶する副作用に見舞われるってこと。
じっさい、従来薬のワルファリンとくらべると、DOACの現実の出血率は5倍にもおよぶ。↓ 出血しにくいはずなのに、、