元
体格指数(BMI)は、一般的な健康状態を示す指標として広く用いられている。
しかしその数値が脳卒中の臨床結果に与える影響については、まだ完全には理解されていない。
そこで、脳梗塞および脳出血後の臨床転帰における体格指数(BMI)の影響をくわしくしらべてみたそうな。
対象は、2006年1月から2020年12月までの間に急性脳卒中を発症し、日本脳卒中データバンク(病院ベースの多施設脳卒中登録データベース)に登録された、体重と身長のデータが入手可能な成人患者とした。
評価項目は、退院時のmRSスコア5~6で定義される不良な転帰と、退院時の良好な転帰(mRS 0~2)、および院内死亡率とした。
BMIカテゴリー(低体重、標準体重、過体重、クラスI肥満、クラスII肥満;<18.5、18.5~23.0、23.0~25.0、25~30、≧30kg/m2)と転帰との関連を解析した。
次のようになった。
・56,230例、脳梗塞群(IS群,n=43,668)、脳内出血群(ICH群,n=9,741)、くも膜下出血群(SAH群,n=2,821)が対象となった。
・IS群では、低体重であることは、正常体重の転帰と比較して、不良な転帰および院内死亡の増加と関連していた。
・過体重は良好な転帰の可能性の増加と関連していた。
・特定のISサブタイプ(心塞栓性脳梗塞、大血管脳梗塞、小血管閉塞)において、低体重とこれらの転帰との間に同様の不良な関連が観察された。
・BMI≧30.0kg/m2の患者は、大血管脳梗塞において不良な転帰および院内死亡の増加と関連していた。
・SAHではなくICH患者では、低体重であることが不良な転帰の増加と関連していた。
BMIは脳梗塞および脳出血後の機能的転帰に大きく影響する。低BMIは脳卒中後の障害と死亡に一貫して影響し、高BMIは大血管脳梗塞後の転帰に同様に影響した、
というおはなし。
感想:
低体重の予後はとにかくヤバくて、重いはさほど問題ではないってこと。