元
一般的に抗うつ薬として知られているフルオキセチン(fluoxetine)を、脳卒中回復に応用した3つの大規模ランダム化比較試験が実施された。
そこで、これらの患者データを統合してメタアナリシスを試みたそうな。
次のようになった。
・3つの試験は、オーストラリア、ニュージーランド、英国、スウェーデン、ベトナムから合計5907人(平均年齢69.5歳、女性2256人(38%)、脳卒中後2~15日)をリクルートし、fluoxetine 20mg/日またはプラセボを無作為に割り付け、6ヵ月間投与した。
・6ヵ月時点で5833例(98.75%)のデータが得られた。
・障害度mRSの、調整後の順序比較は両群で同等であった。
・最小化変数(6ヵ月時点で生存し自立しているベースライン確率、治療までの期間、運動障害または失語症)と事前に特定したサブグループ(年齢、病型、気分の評価能力の欠如、代理人または患者の同意、ベースラインのうつ病、国を含む)との間に統計学的に有意な「相互作用」はみられなかった。
・Fluoxetineはけいれん発作リスク(2∙64% vs 1∙8%)、外傷を伴う転倒(6.26% vs 4.51%)、骨折(3.15% vs 1.39%)、低ナトリウム血症(1.22% vs 0.61%)を有意に増加させたが、新たなうつ(10.05% vs 13.42%)を有意に減少させた。
脳卒中患者に、フルオキセチン1日20mgを6ヵ月間投与しても機能回復は改善しなかった。フルオキセチンの投与は、けいれん発作、外傷を伴う転倒、骨折を増加させたが、うつは減少した、
というおはなし。
感想:
抗うつ薬のませても、回復がはかどるわけでもなく転んで骨を折る、ってこと。
こんなの↓があった。