元
気分変動(mood swings)は、怒りから悲しみ、不安から無関心、幸福から涙へと、感情が頻繁に、突然かつ予測不可能に変化することを指す。
気分変動は脳卒中など心血管疾患(CVD)のリスク上昇と関連している。
しかし、両者の因果関係はわかっていないので、暴露因子と関連の強い遺伝子変異が出生前に無作為化されていることから環境因子の影響を受けにくい比較ができる「メンデルランダム化解析」という研究をこころみたそうな。
大規模ゲノムワイド関連研究(GWAS)のデータを用いて、気分変動(n = 373,733)と冠動脈疾患(CAD)、心筋梗塞(MI)、心不全(HF)、心房細動(AF)、脳卒中との因果関係を評価するためにメンデルランダム化(MR)解析を行った。
次のようになった。
・MR解析の結果、気分変動と心房細動を除くCAD、MI、HF、脳卒中との間に有意な因果関係が認められた。
・逆方向のMR解析では因果関係は認められなかった。
・この結果はフィンランドのFinnGenデータを用いても再現可能であった。
・CAD、MI、HF、脳卒中に対する気分変動の因果関係は、BMI、喫煙、T2DMを含む潜在的交絡因子を調整してもなお有意であった。
・さらなる解析により、高血圧が気分変動からCAD、MI、HF、脳卒中への因果経路を媒介する可能性が示された。
気分の変動は冠動脈疾患、心筋梗塞、心不全、脳卒中の発症に重大な因果的影響を及ぼし、その一部は高血圧が介在している、
というおはなし。
感想:
自分は怒りっぽい自覚があるから妙になっとくする。