元
頸部動脈解離(CeAD)は50歳未満の脳梗塞原因の15%から25%を占める。
いっぽうCTアンギオなどの侵襲度の低い血管撮影が臨床で用いられるようになってきているが、CeADの発見頻度への影響は不明である。
2006年、CeADの年間発症率は10万人年あたり2.6人と推定されたが、現在の発症率はわかっていないので、くわしくしらべてみたそうな。
Rochester Epidemiology Projectのリソースを活用し、2002年から2020年までに内頸動脈解離、総頸動脈解離または椎骨動脈解離と診断されたミネソタ州オルムステッド郡のすべての成人住民を確認した。
年齢調整した発生率を推定し、10万人年当たりの発生率で表した。
5年間隔で経時的傾向を評価した。
次のことがわかった。
・内頸動脈解離が63例、椎骨動脈解離が54例、内頸動脈解離と椎骨動脈解離の同時発症が2例、総頸動脈解離が4例であった。
・女性患者は63例(51.2%)、男性患者は60例(48.8%)であった。
・全体の自然発症CeADの発生率は、10万人年当たり4.69人(内頸動脈解離は2.43人、椎骨動脈解離は2.01人)であった。
・発生率は、2002年から2006年の10万人年当たり2.30人から、2017年から2020年の10万人年当たり8.93人に有意に増加した。
・女性患者の発生率は、2002年から2006年の100,000人年当たり0.81人から、2017年から2020年の100,000人年当たり10.17人に増加した。
自然発症CeADの発生率は、2002年から2020年までの19年間で約4倍に増加した。女性での発生率は12倍以上に上昇した。発生率の増加は、低侵襲の画像診断の普及を反映している可能性が高い、
というおはなし。
感想:
CeAD患者の症状は、49.6%が頭痛、29.3%が首の痛み、36.6%は脳梗塞、15.5%は無症状であった、というから、
CeAD自体はもっと頻繁におきていて、ほとんどのひとは痛みを我慢しているうちに自然に治ってしまっているとおもう↓。