元
脳小血管病(CSVD)、すなわち高血圧性動脈症(HA)や脳アミロイド血管症(CAA)は、自然発症の脳内出血(ICH)の主な原因である。
とはいえ、外傷、血管奇形、脳腫瘍などCSVD以外の病因によるICHもかなりの部分を占めている。
HAとCAAのICHを比較した研究がある一方で、非CSVD病因はこれらの比較から除外されてきたので、それらを含めた出血リスクを高める追加の要因についてくわしくしらべてみたそうな。
HA、CAA、非CSVD関連ICHを、自然発症ICHに関する因子と比較するため、922人の患者記録を対象にした。
医療記録(n = 861人分)から、人口統計、抗血栓薬、血管リスクプロファイルをスクリーニングし、185人の患者のサブグループにおいて、CSVD病態を磁気共鳴画像法(MRI)で評価した。
CSVDの重症度は0から6までの合計スコアで評価され、スコア2以上を進行した病態と定義した。
次のようになった。
・922例のICH患者(年齢中央値71歳)において、HAとCAAが大半を占め(n=670、73%)、CSVD以外の病因が残りの4分の1を占めた(n=252、27%)。
・HAおよびCAAに関連したICH患者は、非CSVDの患者よりも高い危険因子の有病率を示した。
・これには、高齢、抗血栓薬の使用、血管危険因子の有病率、MRIでの進行したCSVD病態が含まれる。
・しかし、非CSVDのICH患者の半数は、60歳以上であるか、血管危険因子を有するか、MRIでCSVDが進行しており、必ずしもHAやCAAではなかった。
自然に起きる脳内出血では、高血圧や脳アミロイドがよく見られる病因であるが、それ以外の理由で起こる脳内出血でもこれらのリスク因子は少ないながらも存在する、
というおはなし。
感想:
脳内出血には自然発症と外傷性の2つがあって、自然発症は全体の3/4で外傷性が1/4を占める。外傷性であっても高血圧や脳アミロイドの者もすくなくない、ってこと。
でもほんとうの主因は、抗血栓薬だとおもう。おれは飲んでなかったけど。