元
動脈瘤破裂のくも膜下出血(aSAH)は依然として悲惨な病気である。
予後不良は初期の神経学的状態に大きく依存することが知られている。
そこで、aSAHで初期の神経学的状態が「良好」であった患者において、不良転帰のリスクを高める因子くわしくしらべてみたそうな。
2003年1月~2016年6月の間に治療されたaSAH症例のうち、WFNSグレードI~IIIのすべての症例を対象とした。
脳梗塞の発生、院内死亡、aSAH後6ヵ月時点の転帰不良(modified Rankin scale > 3)との関連を解析した。
次のようになった。
・582人患者が対象となり、脳梗塞発生率は35.1%、院内死亡率は8.1%、予後不良率は17.6%であった。
・脳梗塞のリスクは、水頭症の有無、クリッピング、ニモジピンにカルシウム拮抗薬を追加、と独立して関連していた。
・患者の年齢が55歳以上、、水頭症、クリッピングは院内死亡を予測因子だった。
・6ヵ月後の転帰不良と関連する因子は、年齢(aOR=2.77、p=<0.0001)、水頭症(aOR=2. 22、p=0.012)、クリッピング(aOR=3.98、p<0.0001)、入院時CRP>1mg/dL(aOR=1.76、p=0.035)、であった。
初期の臨床状態が良好だった動脈瘤性くも膜下出血患者において脳梗塞は35%に見られたが、6ヶ月後80%以上は転帰良好であった。死亡または転帰不良のもっとも影響のおおきな危険因子は動脈瘤のクリッピングであった、
というおはなし。
感想:
軽症のくも膜下出血の症状は「頭痛」しかない。顔がゆがんだり言葉がもつれたり片手が痺れたりしないので、ほとんどのひとは病院にゆかずに我慢する。そして自然に治る。
仮に受診が遅れても悪化することはない。
あわてて病院に駆け込んでしまったばかりに動脈瘤が見つかり手術をされて、17.6%が重い障害者を負うか死亡する、ということ。
くも膜下出血の動脈瘤治療には根拠となるランダム化比較試験が存在しないにもかかわらず、軽症であってもほぼ強制的に手術されるから注意が必要だ。
入院時、たとえ意識があっても鎮静剤で意識を飛ばされ、さらに身体拘束までされるので治療拒否することもできず、目がさめるとクリップやコイルがはめられている。
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あらすじ)著者が強い頭痛で病院を訪れると、検査中になぜか意識が無くなった。手術などしてほしくなかったにもかかわらず、目が覚めると「希望してもいない」コイルがアタマに詰められていた。後日コイルトラブルで言葉が出なくなり、現在は再手術を勧められているという衝撃のノンフィクション。
さもありなん
「日本の99.9%以上の医師は、新型コロナウイルスのワクチンを少なくとも黙認した。これは後世に語り継がれるべき事実である。
当時の医師は、地域の人々から厚い信頼を寄せられ、また彼らの中には家庭で立派な親である者もいた。」edited by
GPT-4
予想外の人口減少が拡大中。2019年までの自然減傾向から予測される外挿値とくらべて、現在すでに100万人以上が余計に亡くなっている。