元
ニコチンを含む電子タバコ(EC)の喫煙は世界的に普及しているが、脳卒中の転帰に対するECの影響についての理解は進んでいない。
そこで、脳梗塞ラットモデルを用いて、EC曝露が脳のエネルギー代謝と脳卒中の転帰に及ぼす影響を性差も含めてくわしくしらべてみたそうな。
雌雄ともに成体のラットを無作為に16晩、空気またはEC蒸気(5%ニコチン入り)群に割り付け、
その後90分間の脳虚血術(90分)または偽手術に無作為に割り付けた。
さらに21日間生存中に感覚運動テストとモリス水迷路テストをおこなった。
並行して各時点で、病理組織検査のために脳が採取された。
次のようになった。
・雌では、ECは梗塞容積を94%有意に増加させた。ECラットでは165mm3、空気ラットでは85mm3であった。
・モリス水迷路のデータでは、EC暴露の偽手術または脳虚血群で、空間学習およびワーキングメモリにおいて、雄雌ともに空気群と比較して有意な機能低下が認められた。
・ECにより糖質、解糖、トリカルボン酸サイクル、脂質代謝の32代謝物が有意に変化し、そのうち23代謝物は雌に特異的であった。
・糖代謝に関係するヘキソキナーゼの定常状態タンパク質レベルは、EC暴露の雌で有意に減少したが、雄ではこのような変化はみられなかった。
電子タバコへの短期間(2週間)の暴露が特に、雌のラットにおいて脳エネルギー代謝に影響を与え、脳梗塞の大きさを増加させ、脳卒中後の作業記憶に関連する能力の低下を引き起こすことを示している、
というおはなし。
感想:
電子タバコはヘルシーなイメージがあるけど、いい話を聞いたことが無い。