元
脳卒中患者の歩行機能に対するリズム聴覚刺激(RAS:rhythmic auditory stimulation)の効果については、いくつかの研究で報告されているが、系統的レビューはまだない。
そこで、脳卒中患者におけるRAS介入後の機能的歩行に関するエビデンスを統合し、その効果をくわしくしらべてみたそうな。
各電子データベースから、脳卒中患者の歩行に対するRASの効果を評価した報告を検索した。
RASは、反復的な等間隔パルス(例えば、メトロノームのクリック音)が組み込まれ強調された音楽をつかって聴覚にリズムを伝える方法であり、単に好みの音楽を聴きながら歩く活動は含まない、とした。
次のようになった。
・948人の脳卒中生存者を含む21の論文が含まれた。
・ほとんどの研究は方法論的質は良好であったが、バイアスのリスクが高かった。
・RASは脳卒中患者において、ベースライン時および従来の治療による対照群と比較して、すべての段階において歩行およびバランスパラメータを改善するという点では共通していた。
・機能的歩行と歩行補助器具の使用については、一貫した報告がなかった。
・また、いくつかの研究では、RASは他の補完療法(乗馬や視覚的キューイング)と同程度の効果がある可能性が示唆された。
脳卒中患者へのリズム聴覚刺激の「有益な」効果にもかかわらず、他の補完療法よりも優れているかどうかについては疑問が残った、
というおはなし。
感想:
一定のリズムやビートがはっきりとした音楽ならOKってこと。
意識的に歩行をリズムにシンクロさせずとも、自然同期する効果を期待する。