元
意識障害は動脈瘤性くも膜下出血(aSAH)後の回復を妨げる。
覚醒促進薬である「モダフィニル」は脳卒中生存者の疲労治療に有効であるが、急性期におけるデータは乏しい。
そこで、モダフィニルの使用がaSAH後の精神状態に及ぼす影響をくわしくしらべてみたそうな。
モダフィニルの投与時期と量、神経学的検査、挿管状況、理学療法/作業療法(PT/OT)参加状況を記録した。
モダフィニルなしのグループとの比較には傾向スコアマッチングが用いられた。
次のようになった。
・モダフィニル(100-200mg/日)は、aSAH患者の21%(88/422例)に投与され、投与期間の中央値は10.5日、投与開始はaSAH後14日であった。
・モダフィニルを投与された患者の87.5%(n=77)で72時間以内に、86.4%(n=76)で退院時に精神状態(注意力、見当識、Glasgow Coma Scale [GCS]スコア)の改善が記録された。
・挿管された37例のうち、10例(27%)がモダフィニル投与開始後72時間以内に抜管された。
・PT/OTは、モダフィニル患者56例中47例(83.9%)で注意力または参加度の増加を認めた。
・退院時の意識レベルの変化はモダフィニル投与群で有意におおきな改善を示した。
動脈瘤性くも膜下出血後にモダフィニルを投与されたほとんどの患者で、精神状態のあきらかな改善が認められた。モダフィニルをもっと活用すべきである、
というおはなし。
感想:
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