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ほとんどの脳内出血(ICH)の臨床試験は3ヵ月後の転帰を評価しているが、ICH生存者の回復の軌跡は最初のイベントから1年後まで続く可能性がある。
そこで、脳内出血後3~12ヵ月における機能的転帰の改善予測因子を明らかにするべく、くわしくしらべてみたそうな。
欧州の6つの脳卒中センターに入院した脳内出血患者の記録を対象とした。
機能的転帰は3ヵ月後と12ヵ月後に障害度mRSを用いて測定した。
次のことがわかった。
・703例の患者を対象とし、そのうち245例(34.9%)は3ヵ月以内に死亡した。
・生存者458人のうち12ヶ月後、131人(28.6%)はmRSが改善し、78人(17.0%)はmRSが悪化し、249人(54.4%)は機能状態が安定していた。
・高齢と脳卒中まえの障害(RS>1と定義)は、機能的転帰の改善可能性の低下と関連していた。
・逆に、出血位置が深部では長期的なmRSの改善可能性が増加した。
・3ヵ月後の障害が軽度・中等度(mRS2-3)の患者は、12ヵ月後の改善確率が最も高かった。
3ヶ月時点で生存していた脳内出血患者の4人に1人以上が12ヶ月後も機能的転帰が改善していた。とくに若い深部出血患者は長期的改善の可能性が高かった、
というおはなし。
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