元
適切なレベルの身体活動は、健康と生活の質の向上につながり心血管疾患やがんの可能性が低下することがわかっている。
いっぽう、疫学研究ではカドミウムや鉛濃度の上昇と脳卒中発症率との間に有意な相関が示されている。
身体には汗を通してニッケル、鉛、銅、ヒ素を排泄する能力があるので、積極的な運動が重金属の排泄を促す可能性がある。
そこで、国民健康栄養調査(NHANES)のデータベースをもちいて、脳卒中と血中カドミウムおよび鉛濃度との関係を、運動による影響をふくめしらべてみたそうな。
次のことがわかった。
・対象者は15134人、平均年齢50、男性49%だった。
・脳卒中の有病率は4.23%であり、血中カドミウム濃度の平均値は0.50μg/L、血中鉛濃度の平均値は1.39μg/dLであった。
・血中カドミウムおよび鉛濃度と脳卒中発症との間に正の相関があることが明らかになった。
・具体的には、血中カドミウム濃度が50%上昇すると脳卒中発症率は28%上昇し、血中鉛濃度が50%上昇すると脳卒中発症率は47%上昇した。
・この非線形関係を推定するために採用したモデルでは、身体活動の強度が増加するにつれてモデル曲線の傾きが徐々に減少することが示され、身体活動が血中カドミウムと鉛による脳卒中発症の減少に寄与する可能性が示唆された。
血中カドミウムおよび鉛が一般集団における脳卒中の危険因子と考えられる。さらに、身体活動は、重金属に関連する脳卒中の発生を軽減する可能性がある、
というおはなし。
感想:
カドミウムはおもにタバコから摂取される。
運動すると身体から抜ける説は新鮮。