元
適度なアルコール摂取と脳卒中リスクとの関連については一貫したエビデンスがない。
米国退役軍人における研究について、酒の種類もふくめて脳卒中リスクの違いに関連するかどうかくわしくしらべてみたそうな。
185323人のMillion Veteran Program参加者のうち、アルコール摂取を自己申告した者を対象とした。
中等度の飲酒は1日1~2杯と定義した。
次のことがわかった。
・サンプルの平均年齢は64歳で、11%が女性であった。
・5年ほどの追跡期間に4339例(虚血性94%;出血性6%)の脳卒中が観察された。
・年齢、性別、人種、教育、所得、肥満度、喫煙、運動、食事、コレステロール、糖尿病有病率、高血圧有病率、脂質低下薬、降圧薬、糖尿病治療薬で調整したモデルにおいて、中等度の飲酒(1~2杯/日)は、飲酒をしない場合と比較して、脳卒中全体のリスクが22%低いことと関連していた。
・脳卒中のタイプ別では、中等度の飲酒と脳梗塞[HR:0.76]に予防的関連が観察されたが、脳出血[HR:1.29]のリスクは統計学的に有意ではなかった。
・ビール、酒、ワインの好み別では、脳梗塞または脳出血のリスクに差はみられなかった。
・健康指標の代用として病院受診回数で層別化すると、受診回数が多いほど飲酒の予防的関連は減弱することが観察された。
中等度のアルコール摂取により脳梗塞のリスクが低下することが観察されたが、脳出血のリスクは低下しなかった。健康な者が中等度のアルコール摂取をするというバイアスが、観察された予防効果の原因である可能性がある、
というおはなし。
感想:
身体が弱くひんぱんに病院に通うような人たちがお酒を控えているから、飲まないことが健康に良くないと勘違いされている(逆因果関係)、ってこと。
このテーマはすでに結論が出ている。↓